発酵処理時にオレンジとワイン酵母を加えるという新しい試みから生み出された、コーヒーの新たな魅力を開拓する逸品です。
冒険的な一期一会の楽しみが味わい深い、美味しいコーヒー豆です。
精選方法がアナエロビック・ハニープロセスとされるこのエキゾチック・ハニーオレンジは、その名の通り、
完熟チェリーから果肉除去後、72時間のドライ嫌気発酵時に添加されるオレンジとワイン酵母が最大の特徴といえます。
その後、屋根付きのアフリカンベッドでゆっくりと天日乾燥され、アナエロビックとハニーのプロセスが交わり、唯一無二の豊かな風味が生まれています。
コーヒーとしては稀に見るまろやかな甘い口当たりと、オレンジのトーンを持つ馥郁とした繊細で豊かな風味に驚かれるでしょう。
酸味や苦味に刺激的な表情はなく、コーヒーの持つ味わいの良い部分が渾然一体となった、上品で奥深い味わいがあります。
口の中にふくよかに広がる風味、長く余韻を伴って舌を楽しませる甘味は、上質なチョコレートの風味や舌触りに似ています。
コーヒーの個性に寄り添うオレンジの甘いヒント、オレンジピールを思わせる優しいほろ苦さが、このコーヒーの味わいをより豊かにしています。
上質なワインを目と鼻と口で吟味するように、あるいはとっておきのブランデーやチョコレートを舌の上で転がすように、お楽しみください。
カッピング評価で89.5点を勝ち得た、珍しいプロセスと高い品質をあわせもつ、素晴らしい風味に嘆息することでしょう。
コーヒー豆を従来通りの手法でのみ生産し販売することは、農家や販売者にとってリスクが少なく、労力や費用を余分に割く必要もなく、最も安全で楽だといえます。
「珍しい手法」「新しい試み」の短い言葉の裏には、どれほどの努力が隠れているでしょうか。
新しい試みとは、他の誰も挑戦したことのない冒険でもあります。
そんな農家の冒険から生まれ、磨かれた宝石ともいえるこの逸品の味わいは、消費者もまた冒険して初めて本当に味わうことができるといえるでしょう。
淹れたてに立ち上る香りから温度変化を経た最後の一滴までのあいだに一杯のコーヒーが表情を変える様が、まるで良質な短編映画のように、
日常のひとときを特別で上質なモーメントへと彩ります。
従来の「コーヒーらしいコーヒー」とは異なる、さらなる新しい美味しさを追い求める冒険者の方にこそおすすめしたいコーヒーです。
サンタ・モニカ農園の農園主であるジャイロ・アルシア氏は、コロンビア第二のコーヒー輸出業者Racafeで働くかたわら、
1987年のある日にコーヒー農園を購入し、そこへカツーラ種を植えました。
彼の最初のカツーラ種のロットです。
コーヒー栽培で充分な利益を得ながらも彼はフルタイムで働き続け、そこから費用を捻出してさらに5つの農園を購入しました。
彼の農園ではコーヒー生産は驚くほど順調でしたが、2005年には低迷を感じてアボカドやバナナ、プランテン(調理用バナナ)、オレンジなどの栽培に転向します。
しかしスペシャリティコーヒーの人気の高まりから、彼はコーヒー栽培にもう一度チャンスを与えることにしたのです。
2014年に兄弟の農園をゲシャ種栽培のために貸し出した際には、最初の収穫で大きな成功をおさめ、さらに多くのエキゾチックな品種、
ピンクブルボン種やタビ種などを栽培することにし、最近では3000本のジャワ種を植えました。
サンタモニカやカステリョンなどのエリアで彼によって植えられた現地自生種の木々は、コーヒーの木に日陰を作るシェードツリーとなり、土壌の質を向上し、
標高1500m以下に植えられたゲシャ種・タビ種・ジャワ種を守っています。
彼は2人の子息とともにコロンビアのスペシャリティコーヒーの生産・輸出業者Cofinet社の共同創業者でもあり、
創業当初から、彼らの持つコーヒー生産に関わる専門知識に耳を傾けながらその事業に携わってきました。
今なお、新たな試みを経ながら地域のすばらしいプロファイルを持つ、たぐいまれなコーヒー豆を紹介し続けています。
ノート:
オレンジピール、オレンジ、チョコレート、キャラメル、はちみつ、完熟プラム、ピーチ、ヘーゼルナッツ。
オレンジの皮のほろ苦さを含む爽やかな風味、非常にまろやかでワイニーな酸味、長く余韻に残るクリーミーな強い甘味が魅力です。
生産地:キンディオ県サンタモニカ群アルメニア
農園名:サンタ・モニカ農園
標高:1,650~2,050m
等級:エキソルソ
収穫時期:メインクロップ・・・10月~2月、サブクロップ・・・4月~5月
品種:カスティージョ種
スクリーンサイズ:S19‥13%、S18‥20%、S17‥31%、S16‥36%
乾燥方法:天日乾燥
精選方法:Anaerobic Honey
気温:12~28℃
カッピング評価:89.5点